『心からのごめんなさいへ』
一人ひとりの個性に合わせた教育を導入した少年院の挑戦
品川裕香著 中央法規出版 ¥ 1,995 (税込)
学校の先生や支援者に読んで頂きたい一冊です。 是非!
LD指導の視点を導入した矯正教育の軌跡を描いた本です。
と言っても、発達障害と犯罪の関連性を書いた本ではありません。
むしろ
発達障害と犯罪の関連性の無さに着眼していると言えるかもしれません。
この本には、発達障害への深い理解があります。
”軽度発達障害児者 = 犯罪予備軍 ”という誤解を一掃してくれそうな気がします。
心にとまった事を少しだけ紹介。
P112 「大事なことは深い受容だ。言葉を受け止めるといった作業だけではこの深い受容にはならない。」
P113 「何が変わったって、自分が変わったんです。院生たちを理解する"新しい目”が自分の中に生まれた。」
P129 「もしかしたら自分は少年の姿など正しく理解してこなかったんじゃないのか・・・・・・」
P155 「この感動が次の指導につながっていくんですよ。」
P248 「やはり罪を犯してから、少年院に入ってからでは遅い。家庭や学校、地域が連携して、いかに一人ひとりのこどもを理解し、支援しようと努めるか。その努力が少年の健全育成への一歩に、そして加害者も被害者も出さない社会につながると考えます。」
我が子だろうが、よそ様の子だろうが、分け隔てなく愛情を持って、一人ひとりの育ちに向き合い寄り添うことの大切さを考えさせる本です。
世間ではイジメが再び問題視されています。本著でも「いじめ」はキーワードの一つになっています。著者の品川裕香氏は、『
いじめ緊急アピール』を出した安倍首相の諮問機関「教育再生会議」の委員です。 とにかく期待したい。
P.S. 本の中に登場する小栗正幸氏が当地で来月講演されます。
親の会「
てんがらもん」さんの発足10周年記念講演だそうです。
なんとも素晴らしい企画! ありがとう、
てんがらもん さん!
殿父はもちろん聞きに行きますよー!
*slow life* 『見方、感じ方』